いちねん

田舎を離れて一年が過ぎた。
ある程度の荷物は数箱のダンボールにつめ、薄っぺらなボストンバッグひとつで南へ向かった。
本当に何にもない部屋で一人、布団も敷かないで固い床の上に寝たあの日から一年。


すぐやめた会社。
強制労働所のような生活。
金も底をついたあの夏の日。
拾われた今の会社。
満員電車に揺られる日々。
まさかの水害事件。
盗まれた自転車。
ノロウイルス
休出に残業の日々。
親戚との再会。
旧友との再会。
出会いと別れ。


田舎にそのままいたなら経験できなかっただろう、都会での日々が頭を巡った。
これから一年、何があるのか。
当然の如く「何かいいことありますように」と思うまでだが。


今日は七夕。
願い、あるよ。みんなが願うようなことさ。


願いよかなえ いつの日か
そうなるように 生きてゆけ